瓦屋根から雨漏りする原因とは?予防方法も解説します

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瓦屋根から雨漏りする原因とは?予防方法も解説します

2025年2月25日

瓦屋根は日本の伝統的な屋根材として長年にわたり愛用されており、優れた耐久性と日本建築特有の美しい外観を兼ね備えています。瓦は耐火性が高く、台風や強風にも強い特徴を持っていますが、経年劣化や自然災害の影響により、適切なメンテナンスを怠ると深刻な問題が発生する可能性があります。特に雨漏りのリスクが高まることが懸念され、一度雨漏りが始まると建物の構造体や内装材の劣化を急速に進行させ、最終的には大規模な修繕工事が必要となり、予想以上の高額な費用負担を強いられることになります。

今回は、瓦屋根における雨漏りの主な発生原因を詳しく分析し、効果的な予防方法や適切な維持管理の方法について解説していきます。

瓦屋根の基本構造と特徴

瓦屋根は、日本の伝統的な屋根材のひとつであり、耐久性や防火性に優れた特徴を持っています。基本的な構造としては、表面の瓦、防水シート(ルーフィング)、野地板の3つの主要な部分から構成されており、それぞれの役割が瓦屋根の機能性を支えています。

表面の瓦

表面の瓦は、屋根の最も外側に位置し、雨風を防ぐ役割を果たします。瓦の種類にはいくつかのバリエーションがあり、それぞれに特徴があります。

■粘土瓦(和瓦・いぶし瓦・陶器瓦)

天然の粘土を成形し、焼成して作られる瓦で、日本瓦(J型)、平板瓦(F型)、S型などのデザインがあります。いぶし瓦は表面に炭素膜を形成することで独特の風合いを持ち、陶器瓦は釉薬を施して焼成することで色や光沢が長持ちするのが特徴です。

■セメント瓦

セメントと砂を主成分とし、成形して作られる瓦で、表面に塗装が施されているため、デザインや色のバリエーションが豊富です。粘土瓦よりも軽量という特徴がありますが、経年劣化により表面の塗装が剥がれることがあります。

■金属瓦

金属製(ガルバリウム鋼板など)の薄い板を成形して作られる瓦で、軽量で耐震性に優れているものの、衝撃で凹みやすい特徴があります。表面には防錆加工や塗装を施すことで、耐久性を向上させています。

防水シート(ルーフィング)

瓦の下には、防水シート(ルーフィング)が敷かれています。これは、万が一瓦の隙間から雨水が侵入した場合でも、建物内部への浸水を防ぐ役割を担っています。防水シートには以下の種類があります。

■アスファルトルーフィング(一般的な防水シート)

アスファルトを浸透させた紙や合成繊維を使用しており、施工が容易で比較的安価です。耐用年数は約10~20年となっています。

■改質アスファルトルーフィング(高性能な防水シート)

ゴムや合成樹脂を混ぜることで防水性と耐久性を向上させており、一般的なアスファルトルーフィングよりも高価ですが、耐用年数が長く(20~30年)なっています。

■透湿防水シート(最近の住宅で採用されることが多い)

湿気を逃がしながら外部からの水の侵入を防ぐため、室内の結露防止にも効果的です。

野地板

野地板は、屋根の骨組みとなる部分で、瓦や防水シートを支える役割を果たします。使用される主な材料は以下の通りです。

■構造用合板(ベニヤ板)

一般的な住宅で使用され、強度があり施工がしやすい特徴を持っていますが、湿気による劣化に注意が必要です。

■無垢板(杉板やヒノキ板)

通気性があり耐久性も高いものの、自然素材であるため経年変化で多少の歪みが生じることがあります。

瓦屋根のメリット

瓦屋根は、古くから日本の気候に適した屋根材として広く採用されてきました。主なメリットを詳しく見ていきましょう。

長持ちする(50年以上の耐久性)

瓦は非常に長持ちする屋根材なんです。きちんと手入れをすれば50年以上使い続けることができます。特に粘土瓦は高温で焼き上げているので、劣化が少なく、長年美しい状態を保てるのが特徴です。

火に強い性質

瓦は燃えない素材でできているので、火災に対する安全性が高いのが特徴です。特に陶器瓦やいぶし瓦は、高温で焼成されているため、さらに火に強い性質を持っています。これにより、建物の火災への備えとしても優れた役割を果たします。

優れた断熱効果

瓦には程よい厚みがあり、屋根の温度を調整してくれる効果があります。夏は暑さを和らげ、冬は寒さを防いでくれるので、室内を快適に保つことができます。また、瓦と野地板の間に空間があることで、空気の流れを作り、結露も防いでくれるのです。

瓦屋根のデメリット

瓦屋根の良さはたくさんありますが、気をつけなければならない点もいくつかあります。これらの特徴をよく理解して適切に対応することで、瓦屋根を長く快適にお使いいただけます。

重量があり、耐震補強が必要

瓦屋根は金属屋根やスレート屋根と比べると重い屋根材です。そのため、建物全体の地震に対する強さに影響を与えることがあります。特に築年数が長い建物では、屋根の重さによって地震への備えが十分でない可能性があるため、耐震補強をご検討いただく必要があります。なお、最近では軽い瓦(軽量瓦)も開発されており、地震対策として採用されるケースが増えています。

割れやすく、修理が必要になることがある

瓦は耐久性に優れている一方で、強い衝撃には弱い特徴があります。地震や台風、物が飛んでくるなどの影響で割れることがあるのです。もし割れた瓦をそのままにしておくと、そこから雨水が入り込み、屋根全体の傷みを早めてしまう可能性があります。そのため、定期的な点検と適切な補修作業が大切になります。

瓦屋根から雨漏りする主な原因

瓦のズレや割れ

強風や地震によって瓦がズレたり割れたりすることがあります。ズレた瓦の隙間から雨水が侵入し、防水シートの劣化を早める原因となります。

漆喰の劣化

瓦を固定するために使用される漆喰が劣化すると、雨水が侵入しやすくなります。漆喰の剥がれやひび割れを放置すると、屋根内部に水が浸透し、雨漏りを引き起こします。

防水シート(ルーフィング)の劣化

防水シートは瓦の下で雨水の侵入を防ぐ役割を担っていますが、経年劣化により防水性能が低下します。防水シートが破れると、瓦が正常でも雨漏りが発生することがあります。

棟部分の劣化

屋根の頂上にある棟瓦のズレや漆喰の崩れが原因で雨漏りが発生します。特に、施工不良があると、棟部分の耐久性が低下しやすくなります。

雨樋の詰まりや破損

雨樋が詰まると、屋根からの雨水が適切に排水されず、建物の内部に水が浸透する原因になります。落ち葉やゴミが雨樋に溜まらないように定期的な清掃が必要です。

その他の原因

  • 屋根と外壁の接合部に隙間がある
  • 屋根の勾配が適切でない
  • 台風や積雪による損傷

瓦屋根の雨漏りを効果的に防ぐための対策

✅定期的な点検をおこなう

瓦のズレや割れ、漆喰の劣化などがないか、定期的に確認することが大切です。ご自身での目視点検に加えて、年に1~2回は専門業者による詳しい点検をお勧めします。特に台風シーズンの前後は必ず点検しておきましょう。

✅漆喰の補修・詰め直し

漆喰は瓦屋根の防水性を保つ重要な要素です。劣化や剥がれが見られたら、早めに補修することをお勧めします。ひび割れなどが見つかった場合は、専門家による適切な補修をご検討ください。

✅瓦の交換・修理

瓦が割れたり欠けたりしたまま放置すると、雨水が入り込んで建物を傷めてしまう可能性があります。損傷を見つけたら、周辺部分も含めて専門家による診断を受け、必要に応じて修理を行うことをお勧めします。

✅防水シートの張り替え

防水シートは20~30年程度で劣化していきます。瓦の修理や交換の際に、防水シートの状態も確認することをお勧めします。特に築年数が経った建物では、防水シートの劣化で雨漏りが起きやすくなるため、早めの対応が重要です。

✅雨樋の清掃・メンテナンス

雨樋に落ち葉やゴミが詰まると、屋根に水が溜まりやすくなってしまいます。季節の変わり目や台風の前後には清掃を行い、破損などがないか確認することをお勧めします。特に近くに木がある場合は、落ち葉による詰まりに注意が必要です。

✅信頼できる屋根修理業者に依頼する

屋根の修理は高所作業を伴い危険が伴うため、ご自身での作業は避けていただき、必ず専門業者にご依頼ください。定期的なメンテナンス契約を結ぶことで、屋根の状態を継続的に管理し、適切なタイミングで必要な修理を行うことができます。また、急な問題が発生した際にも、迅速に対応できる体制を整えることができます。

瓦屋根の雨漏り修理にかかる費用相場

修理内容 費用
瓦の部分補修 1~5万円
漆喰の補修 5~15万円
防水シートの張替え 30~50万円
全面リフォーム 100万円以上

修理費用は、屋根の傷み具合や修理が必要な範囲、使う材料によってかなり変わってきます。そのため、できるだけ複数の業者さんから詳しい見積もりを取り、修理内容や保証の条件、工事方法などをしっかり比較することをお勧めします。また、見積もりを検討する際は、将来のメンテナンス費用まで考えて、長い目で見て最適な修理プランを選ぶようにしましょう。

まとめ

瓦屋根は優れた耐久性と防水性能を持っていますが、その性能を長く保つためには、定期的な点検とメンテナンスが大切です。特に、年月が経つにつれて劣化が進んだり、天候の影響を受けやすくなったりするため、専門家による定期点検をお勧めしています。雨漏りを防ぐためには、瓦や漆喰、防水シートの状態をしっかりと確認し、少しでも気になる点があれば、建物への影響が広がる前に早めの対応が必要となります。

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