2025年6月27日
屋根の劣化というと、屋根材のみに注目しがちですが、屋根を支える下地にも注意が必要です。
屋根材が劣化しているかどうかに関わらず、屋根を支える下地の劣化症状は見えにくいことから、気づいたときには危険な状態になっていることもあります。
特に、屋根からの雨漏りが長年にわたり続いている場合は、屋根下地が腐食している可能性があります。
この記事では、屋根下地の構造と劣化の原因。屋根下地が劣化した場合のメンテナンス方法について解説します。
屋根の下地の主な構造は、「小屋組み」、「野地板」、「ルーフィング」の3つです。
木造住宅の場合、屋根は小屋組みと呼ばれる骨組みによって支えられています。
天井裏には、屋根の重みを支える太い梁が渡されており、その梁の上に小屋束という柱が立てられています。
中心となる小屋束には、棟木という背骨に相当する木材が一本渡されます。
そして、棟木から軒桁に向けて、垂木と呼ばれるあばら骨に相当する木材が多数渡されます。
これによって、屋根の骨組み、つまり、小屋組みが構成されています。
次に、垂木の上に野地板という板材が打ち付けられます。
現在では、野地板は厚さ12ミリ以上の構造用合板を用いるのが一般的です。
野地板が打ち付けられることで、屋根の形が完成します。
最後に、ルーフィングと呼ばれる防水シートを張り巡らします。
ルーフィングは屋根材の隙間から雨水が入り込んでも、軒先まで流して、野地板にしみ込まないようにする役割を果たしています。
屋根材は、ルーフィングの上に桟木等を敷いて施工されています。
屋根の下地である小屋組み、野地板、ルーフィングが劣化する原因をそれぞれ見ていきましょう。
小屋組みは、使われている木材が腐朽しない限り劣化することはありません。
木材は長期間濡れた状態にさらされると木材腐朽菌が繁殖し、劣化してしまいます。
小屋組みは、建物内で最も高い位置にありますが、換気が十分でないと、湿気にさらされてしまうこともあります。小屋組みの木材が劣化するのは多くの場合、雨漏りが原因です。
長期間、雨漏りを放置したり、雨漏りに気づかずにいる場合は、小屋組みが傷んでしまうことがあります。
野地板も耐久性が高いので使われている板材が腐朽しない限り劣化することはありません。
野地板は屋根からの雨漏りが原因で劣化することがあります。
ルーフィングの劣化によって、雨水が染み込むようになると、真っ先にダメージを受けるのが野地板です。
野地板は、いったん濡れてしまうと、なかなか乾燥しないため、木材腐朽菌が繁殖し、腐りやすくなります。
野地板が腐ってしまうと、屋根に人が上がっただけで踏み抜いてしまうこともあるので、大変危険な状態になります。
野地板の劣化は、その上に葺かれている屋根材を固定する力の低下も招き、台風が直撃した時に屋根材が強風で吹き飛ばされてしまうといったリスクが高まります。
ルーフィングは、耐用年数があり、15年から30年程度も経てば、劣化が始まります。
ルーフィングは、2次防水と言い、1次防水の屋根材で受け止め切なかった雨水を受け止める役割を果たしています。
屋根材がしっかりしていれば、ルーフィングがなくても雨漏りが発生しないと思われがちですが、屋根材とて、屋根を完全に密封しているわけではありません。
基本的に屋根は、屋根材同士を重ね合わせることで構成されているので、重ね合わせた部分には隙間が生じます。
雨の降り方によっては、その隙間から雨水が染み込んでしまうことがあります。
ただ、隙間があることによって、内部に入り込んだ雨水を排出できるようになっていますし、ルーフィングのおかげで、野地板まで雨水が染み込まないようになっているわけです。
そのため、ルーフィングの劣化が始まると、雨水が野地板にしみ込むようになり、やがて、野地板の劣化、さらに小屋組みの木材の劣化にもつながってしまいます。
屋根下地の劣化を確認する方法は、3通りあります。
☑天井裏から小屋組みを確認する方法
☑屋根材を剥がして下地を確認する方法
☑ルーフィングの耐用年数を目安に劣化を予測する
それぞれどのような方法なのか解説します。
天井の点検口から天井裏に上がり、小屋組みを確認します。
この方法では、小屋組みの状態の他、野地板の裏側の状態をチェックすることができます。
ルーフィングの劣化状況を直接確認することはできませんが、雨漏りの跡がある場合は、ルーフィングも劣化しているであろうことが推測できます。
そのため、ルーフィングの交換が必要と判断できますし、裏側から見た野地板の劣化状況によっては、野地板や垂木の交換も必要と判断します。
屋根材を交換することが前提であれば、屋根材を剥がしたうえで、下地を確認することができます。
ルーフィングの状態を直接確認できるため、傷みがひどい場合は、屋根材をすべて剥がして、ルーフィングの交換を行うこともあります。
ルーフィングは必ず経年劣化するため、ルーフィングの耐用年数である15年から30年程度経過した場合は、ルーフィングが劣化していると判断すべきです。
つまり、新築時から15年から30年程度経っている場合は、屋根の下地も劣化が始まっていると判断すべきです。
屋根から雨漏りしている場合は、屋根下地も劣化している可能性が高いです。
屋根下地には、ルーフィングが敷かれているため、屋根材の隙間から雨水が入っても、容易に雨漏りしないようになっています。
このルーフィングがダメになっているからこそ、屋根から雨漏りが生じているわけですから、ルーフィングの傷みが進行していることは予想できます。
さらに、室内で屋根からの雨漏りに気づく時点では、野地板も長い時間じめじめした状態にさらされて、腐り始めていることもあります。
このように室内で、屋根からの雨漏りに気づいた時には、屋根下地も傷んでいる可能性があるので早めの対処が必要です。
屋根下地が劣化している場合は、屋根材だけを塗装などでメンテナンスするだけでは、雨漏り被害などを防ぐことができません。
この場合のメンテナンス方法としては、屋根カバー工法と屋根葺き替え工法が挙げられます。
屋根カバー工法は、既存の屋根の上に、新しい屋根材を葺く工法です。
屋根カバー工法では、既存の屋根材の上に、ルーフィングを敷き、その上に、新しい屋根材を施工します。
既存の屋根材が化粧スレートの場合に施工しやすい工法です。
新しい屋根材としては、ガルバリウム鋼板の金属屋根を用いるのが一般的です。
屋根葺き替え工法と異なり、既存の屋根材を撤去しなくてよいため、工期が短く、工事費用も少なめに抑えられるメリットがあります。
一方で、新しく葺く屋根材は、基本的に金属屋根に限定される点がデメリットです。
屋根カバー工法は、屋根下地の劣化が野地板まで及んでいないことが前提となります。
劣化しているのは、ルーフィングだけという、屋根下地の状況が比較的良い場合のみ採用される工法です。
施工事例▷南大阪にて屋根修理・天窓補修〈スーパーガルテクトへのカバー工法〉
施工事例▷門真市にて金属屋根カバー工法
屋根葺き替え工法は、既存の屋根材を撤去して、新しい屋根材を葺く工法です。
既存の屋根材を撤去する際は、屋根下地が露出しますから、古いルーフィングも撤去して新しいルーフィングを葺きます。
また、野地板や小屋組みの木材が劣化している場合は、すべて撤去し、屋根の大工工事からやり直すことになります。
屋根を全面的にリフォームする大掛かりな工事なので、工事費用が高くなりますし、工事日数も長くなります。既存の屋根材を撤去、廃棄するための費用もかかります。
これらの点がデメリットになります。
一方、屋根を全面的に交換することから、屋根からの雨漏りを心配する必要がなくなりますし、新しい屋根材を自由に選べる点がメリットです。
また、既存の屋根材がセメント瓦などの重い屋根材の場合は、金属屋根などの軽い屋根材に交換することで、建物にかかる負担を軽くすることができ、耐震性を高めることができます。
屋根下地の構造と劣化の原因。屋根下地が劣化した場合のメンテナンス方法について解説しました。
屋根の下地は、屋根を見ただけでは、確認できないため、どの程度、劣化しているのか分かりにくいことがあります。
そのような場合は、屋根工事のプロに依頼し、天井裏から小屋組みや野地板を確認してもらうなどの点検を依頼してください。
既に屋根からの雨漏りが発生している場合は、屋根下地も劣化している可能性があります。すぐに雨漏りを止めるための工事等を行わないと、屋根下地の劣化が深刻になります。
大和瓦工業は、大阪府守口市を中心に、大阪府全域の屋根修理と雨漏り修理を承っています。
屋根からの雨漏りがあるなど、屋根下地の状態に不安を感じている場合は、早めにご相談ください。
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