2023年6月30日
瓦屋根は粘土を素材としているので耐久性が高く、通常は塗装メンテナンスなどは必要ないとされています。しかし瓦はそれぞれ個別に並べられており災害や劣化が原因でズレが起こることがあります。
ここでは瓦のズレが起きる原因とその危険性を、代表的な例を上げてご紹介します。
瓦のズレの原因は様々あります。
ここでは「風」「地震」「劣化」を例に上げて紹介します
瓦がズレる原因として風が挙げられます。具体的には台風などの強風によってズレが生じます。
瓦は一部が葺き土やビスで固定されていますが、重なっている瓦同士が全て固定されているわけではありません。
台風などの強風では、風の動きが複雑で、上へ持ち上げる力も働くため桟木と呼ばれる下地ごと瓦が持ち上げられることもあります。
したがって、台風の後は、可能な範囲で屋根面全体をチェックすることをおすすめします。
※屋根に昇っての点検などは落下の危険性があるので無理に行わないようにしましょう
瓦がズレる原因として地震による揺れが挙げられます。地震発生時には特に棟部分がズレやすいとされたいます。
一般的に、棟は平らな棟瓦を複数段積み重ねて構成されており、地震の揺れによって左右または上下に揺さぶられることでズレや崩れが起きることがあります。
また、棟瓦を固定している土や漆喰が剥がれ屋根面に散乱することもあります。
さらに、地震による揺れによって平面上の瓦もズレることがあります。
地震が発生した後も台風と同じく目視で確認していただくとよいでしょう。
瓦は耐久性が高いですが、年月が経過すると経年劣化が生じます。
劣化した瓦は表面にひび割れが現れ、水分を吸収し割れてしまうことで固定する力が低下しズレやすくなります。
また、瓦を固定する役割を果たす漆喰も、約10年〜20年ほどで劣化し剥がれたり崩れたりすることがあります。
結果、瓦の固定力が弱まり、風や地震の際に瓦がズレたり落下したりする危険性が生じます。
漆喰が剥がれると、屋根に散乱したり雨によって流されて樋へと入り、詰まりの原因ともなります。
そのため、定期的な点検が必要です。
瓦がズレると、密着していた漆喰もズレて剥がれやすくなり、その結果隙間が生じます。この隙間によって雨水が浸入しやすくなります。
雨水が漆喰の内部に浸入すると、漆喰はますます剥がれやすくなります。時間が経つと、雨水は瓦や漆喰の下の防水シートや下地まで浸透し、屋内への雨漏りの原因となります。
ただし、瓦がズレたからといって直ちに雨漏りするわけではありません。しかし防水シートが劣化すると雨漏りが発生する可能性があります。
また、棟瓦がズレている場合も、同様に棟からの雨漏りの原因となります。
瓦がズレているということは、固定がされていないか、少なくとも固定力が弱まっていることを意味します。瓦屋根は勾配があるため、そこへ風や揺れが加わると瓦が落下する可能性もあります。
瓦は1枚でも重さがあるので、もし瓦が落下して人に当たれば軽いけがでは済みません。
人がいなくても、物や車などに被害をもたらす可能性があります。
屋根の軒先の瓦は特に落下しやすいため、注意が必要です。
また棟瓦も同様にズレてから落下すると地上に落ち危険です。
瓦屋根は定期的な点検をおすすめします。
目視で確認できる範囲で屋根面や棟瓦に異常がないかをチェックしましょう。
瓦のズレだけでなく、割れや欠けなどもチェックの対象です。
瓦は外からの衝撃に弱く、割れたり欠けたりしやすい性質があります。割れた破片が下へ落下して怪我に繋がらないよう注意しましょう。
棟瓦に関しては、ズレ以外にも歪みもチェックする必要があります。
棟は通常直線に施工されますが、建物自体の歪みや下地の不良によってわずかに曲がったり波打ったりすることがあります。
このような場合特定の箇所に無理な力が台風や地震時にかかり、結果崩れやすくなる可能性があります。
上記と併せて漆喰も確認しましょう。漆喰が剥がれていたり、表面の塗りが剥がれている場合は補修が必要です。
ただ、漆喰は地上からの目視は難しい場合があります。気付いた場合は屋根の専門業者に調査を依頼しましょう。
今回は瓦のズレとズレに対する危険性についてご紹介しました。
瓦がズレても、すぐに大きな被害が発生することはまれです。
そのため放置しがちになりますが、そのままにしておくと非常に危険な状態になることも事実です。
不具合を見つけたり感じたりした場合は業者へ修繕などを依頼しましょう。
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