2025年10月22日
野地板は、屋根の形を作っている下地の板材のことです。屋根材の下に隠れているため、普段は気にしないかもしれませんが、屋根を支えるための重要な役割を果たしています。
野地板が劣化した場合は、屋根材を固定する力が失われて屋根材が剥がれやすくなるなど、様々なトラブルの原因になります。
野地板の劣化のサインと張り替えタイミングについて解説します。
野地板は屋根を形成するための重要な役割を果たしています。
まず、屋根の骨組みは小屋組と言い、棟木と垂木を交差させる形で作られています。
そして、垂木に板を張り付け、その上にルーフィング(防水紙)を張り、屋根材に当たる瓦、化粧スレート、金属屋根などが打ち付けられます。
垂木に張る板のことを野地板と呼んでいます。
野地板は人間の体なら筋肉に相当する役割を果たしています。
野地板は、次の2つの種類に分類できます。
✅バラ板
✅構造用合板
バラ板とは、細長い薄い杉の板材などを、「すのこ」のように並べて野地板とするものです。
30年以上前の木造住宅では、バラ板により屋根を作るのが一般的でした。
バラ板は一枚一枚が細長いため、人が乗ったら踏み抜いてしまうこともあるほど強度が弱いです。
それでも、すのこのように隙間を設けていることから通気性がよく、腐りにくいのが特徴です。
構造用合板は、厚さ12ミリ以上の木製の合板のことです。構造用合板は非常に強く、床の下地板や外壁の下地などにも利用されています。
人が乗っただけで凹むことはありませんし、叩いてもそう簡単に折れたり割れたりしません。
屋根の野地板として使う場合は、強固な屋根を作ることができます。
現在では、野地板には構造用合板を用いるのが一般的です。
構造用合板によく似た合板としてコンパネと呼ばれるものがあります。
コンパネとは、コンクリートパネルの略称で、ビルなどを建てる際にコンクリートを流し込む型枠を作るための建材です。コンクリートが固まり次第、撤去されます。
つまり、コンパネは一時的に利用する仮の合板に過ぎず、構造用合板ほどの耐久性はありません。
ただ、コンパネと構造用合板は見た目が非常に似ていて、一般の方では見分けがつかないこともあります。
コンパネの方が安いこともあり、悪質な業者だとコストを抑えるために、コンパネを使っていることがあるので注意しましょう。
構造用合板には必ず、「構造用合板」と印字されたJAS規格のマークがあるので、現場に搬入された際に確認してみてください。
野地板にも寿命があります。おおむね30年から40年程度が寿命とされています。
一般的には、構造用合板よりもバラ板の方が寿命が長いです。
というのも、バラ板は隙間があるだけに、湿気を逃がすことができ、木材が腐りにくいからです。
一方、構造用合板は隙間なく打ち付けられるだけに、屋根に溜まる湿気を逃がすことができません。
そのため、構造用合板が湿気にやられて腐ってしまうと、寿命が短くなるということです。
野地板は30年から40年程度の寿命があるので、一般的には、屋根材よりも先にダメになってしまうことはありません。
しかし、野地板が寿命より早く劣化してしまうこともあります。
その最たる原因は、雨漏りです。
例えば、
屋根材が割れたり、欠けたり、ずれるなどして、屋根内部に雨水が浸入するようになった。
ルーフィング(防水紙)が早期に劣化して、雨漏りを防ぐ役割を果たしておらず、野地板に雨水が染み込むようになった。
このような場合は、野地板が雨水を吸って腐ってしまうため、早期に劣化してしまいます。
野地板の劣化症状は、屋根を見ただけでは分からないことがほとんどです。
そのため、建物内部や屋根裏から確認します。
屋根から室内に雨漏りが生じている場合は、野地板の隙間から雨水が内部に浸入していることになります。
雨水が浸入する過程で、野地板にも大量の雨水が染み込んでいることが考えられるので、野地板が既に腐食している可能性があります。
屋根裏がかび臭い場合は、野地板に長期間にわたり雨水が染み込んで、カビが発生している可能性があります。
野地板にカビが発生しているようだと、既に野地板の劣化が始まっている可能性があります。
屋根裏に上がれば、野地板の裏側を確認することができます。
野地板の裏側で、雨染みが確認できたり、そこだけ色がおかしかったり、触ってみて、ブヨブヨしているようであれば、野地板が劣化していることになります。
野地板が劣化しやすいのは、雨漏りが発生しやすい箇所です。
例えば、次のような箇所が特に野地板の劣化が発生しやすいです。
谷部:屋根と屋根がぶつかり合う部分です。雨水が集まる場所なので、谷板金が設けられており、ルーフィングも二重に張られていますが、最も早く雨漏りが発生しやすい部位になります。
棟:屋根の頂上部分のことです。棟板金や棟瓦があり、ルーフィングも二重に張られていますが、不具合も発生しやすく、雨漏りも生じやすい部位です。
トップライト(天窓)まわり:トップライトは屋根に穴が開いている部位なので、当然雨漏りに注意すべき部分です。コーキングなどが劣化すると、雨漏りが生じやすくなります。
屋根と壁の取り合い部:屋根と外壁の接合部分です。1階の部屋の真上に2階部分がない場合にこの部位が生じます。水切り板金が設けられ、ルーフィングも二重に張られていますが、雨漏りが発生しやすい部位です。
こうした部位がある場合は、雨漏りが生じる前に屋根材の修理やルーフィングの張り直しを行うことが大切です。
野地板の劣化を放置した場合は、屋根が危険な状態になってしまいます。
野地板は屋根の下地として重要な役割を果たしています。ほとんどの屋根材は、野地板に釘やネジで留められる形で張り付けられています。
下地となる野地板が腐ってしまうと、釘やネジが利かなくなるので、屋根材を固定する力が失われてしまいます。
屋根材を固定する力が失われると、屋根材のずれや剥がれが生じてしまいます。
大抵の屋根は勾配があるので、徐々に下にズレ落ちてしまいます。屋根材のずれや剥がれが生じると、さらに雨水が浸入するようになり、雨漏りがひどくなります。
野地板が腐って、屋根材を固定する力が失われると、台風や強風の際に、屋根材が剥がされてしまうリスクがあります。
特に、金属屋根のような軽い屋根材の場合は、簡単に飛んで行ってしまうことがあります。
屋根材が飛んで、近隣にも被害を及ぼしてしまう恐れもあります。
野地板が腐って、屋根材を固定する力が失われると、地震の際に屋根が崩れやすくなります。
野地板をメンテナンスする方法は野地板を交換する以外にはありません。
野地板を交換するには、屋根材をすべて撤去し、ルーフィング(防水紙)を剥がしたうえで行う必要があります。
つまり、屋根の葺き替え工事、屋根の葺き直し工事の際にしか行えないということです。
具体的な工事方法としては、「増し張り」と「張り替え」が挙げられます。
増し張りは、野地板がバラ板の場合に、その上に構造用合板を張る形で行われることが多いです。
構造用合板を張ることによって、屋根が構造的に強固になります。
張り替えは、野地板が完全に腐っている場合に、すべて撤去して、新しく打ち付ける形で行われます。
その際は、小屋組から作り直すこともあります。小屋組からやり直す場合は屋根の形を変更することも可能です。
屋根の工事方法として、屋根カバー工法という方法が知られています。
現在の屋根材が化粧スレートなどであれば、その上にルーフィングを張り巡らして、金属屋根などを打ち付けるという工法です。
屋根カバー工法は、既存の屋根材を撤去しなくてよいことから、屋根の葺き替え工事よりも費用を抑えることが可能です。
ただ、屋根カバー工法を採用する際は、屋根の下地、つまり、野地板がしっかりしていることが前提になります。
野地板が腐っていたり、強度が落ちていると、新しい屋根材を固定することができないためです。
つまり、屋根カバー工法は野地板のメンテナンス替わりになりません。
野地板が腐っている場合は、屋根の葺き替え工事、屋根の葺き直し工事しか選択肢はありません。
野地板は屋根を支える重要な役割を果たしています。野地板が劣化している場合は、屋根の葺き替え工事、屋根の葺き直し工事と全面的なリフォーム工事を行う必要があります。
それを避けるためには、日頃から屋根の状態に気を配り、屋根材の劣化や雨漏りを見つけたら早めに補修することです。
大和瓦工業は、大阪府守口市を中心に、大阪府全域の屋根修理と雨漏り修理を承っています。
屋根からの雨漏りがあるなど、屋根下地の状態に不安を感じている場合は、早めにご相談ください。
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