屋根のルーフィング(防水シート)とは?ルーフィングの役割と種類について解説

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屋根のルーフィング(防水シート)とは?ルーフィングの役割と種類について解説

2023年10月23日

屋根といえば屋根材のイメージがあるのですが、実際にはそれぞれ以外の部材がさまざまに組み合わさってできています。
それらの中で雨を防ぐというと屋根材がメインとなるのですが、実は屋根材だけでは完全に雨水を防ぐことはできません。
雨水を防ぐ大きな役割を果たしているのが「ルーフィング(防水シート)」と呼ばれる部位です。
そこでここではルーフィングの役割や種類について紹介していきたいと思います。

ルーフィングについて

ルーフィングの写真

ルーフィングという言葉は日常生活ではあまり聞かない言葉です。
そこでまずはルーフィングの概要、重要性について紹介します。

ルーフィングとはどういったものなのか

「ルーフィング」は屋根材の下に設置される部分であり、「防水紙」「防水シート」のことを意味しています。
外からは見えないため、重要性がわからないと言われることもあるのですが、実際には雨水を屋根の内部や屋根裏、屋内に入れない、外部に排出するという働きをしています。
材質にも色々なものがあり、高い防水性を持つもの、遮熱効果が期待できるものなどさまざまな製品が出ています。
また、製品によって効果だけでなく耐用年数も違っていますので、建物に適したものを選ぶ必要があります。

ルーフィングの働きや重要性について

瓦屋根やスレート屋根、金属屋根などの一般的な屋根材を設置するとどうしてもわずかな隙間ができてしまいます。
屋根材自体にある程度防水効果がある屋根材もありますが、屋根材で雨水を完全に防ぐということはできず、どうしても屋根材の隙間から雨水が内部に入り込んでしまいます。
そこで活躍するのがルーフィングです。
屋根材を通過してきた雨水をルーフィングが防ぎ、屋根裏部分に水を入れることなく外部に排水してくれるのです。
そのため、ルーフィングがしっかりと機能していれば雨水が建物内部に侵入していくということがありません。
もちろん、ルーフィングが劣化している、破損している、破れているという状態だとルーフィングが雨水の侵入を防ぐことができずに雨水は屋根裏に侵入していくこととなります。

そう考えると屋根材が劣化、破損していたとしてもルーフィングが完全に機能していれば雨水が建物内部に侵入する、雨漏りがするということは防げるという理屈になります。
ただ、屋根材が劣化、破損しているとそれだけルーフィングにかかる負担が大きなものとなるため、ルーフィングの劣化が早くなりますので屋根材が重要となるのは間違いありません。

ルーフィングの種類と特徴、耐用年数について

ルーフィングの画像

一口にルーフィングといっても一つしか種類がないわけではなく、多くの種類があり、さまざまなメーカーがルーフィングを提供しています。
それぞれの製品に特徴があり、耐用年数も違っていますのでそれを知ることが重要となります。
そこでここではルーフィングの種類と特徴、耐用年数について紹介していきます。

アスファルトルーフィングとは

「アスファルトルーフィング」は日本でもっとも多く使用されているタイプのルーフィングとなっています。
その中でも「アスファルト」と「改質アスファルト」の2種類に大きく区別できます。
違う部分もありますが、基本的にはどちらも原紙にアスファルトを染み込ませてできているという特徴があります。

アスファルトルーフィング
こちらは「安い」「使いやすい」といったメリットによって広く使用されているルーフィングです。
ただ、アスファルトは融点が50℃ですので、屋根部分が高温になる地域の夏の季節などはルーフィングが柔らかくなります。
逆に冬の低温時期になるとアスファルトは硬くなって柔軟性が無くなっていきます。
柔らかい、硬いを繰り返すといった変化が何度も繰り返されることによって劣化が進んでいくこととなり、ひび割れ、破損、亀裂などが発生すると防水性が低下していきます。
耐用年数も10~20年ほどとそれほど長くはないので、定期的にメンテナンスをする必要があります。

改質ゴムアスファルトルーフィング
アスファルトルーフィングは安く、使いやすいのですが、温度によって状態の変化が起こりやすく、劣化が早いという弱点があります。
耐用年数もそれほど長くありません。
そこでアスファルトに「ゴム」「合成樹脂」「ポリマー」「プラスチック」などの素材を混ぜ込み、耐久性を向上させたものが「改質アスファルト」「改質ゴムアスファルト」と呼ばれるルーフィングです。
アスファルトルーフィングよりも耐久性が大きく高まっていることから耐用年数も20年以上と長くなっています。
この製品の中には、ハイグレードなものになると耐用年数が50年以上あるものもあります。

▷参考サイト:田島のルーフィングシート

高分子系ルーフィング

高分子系ルーフィングは、合成ゴムや塩化ビニールを原料として作られているルーフィングです。
アスファルトルーフィングよりもはるかに軽量であるということが特徴となっています。
そのため屋根裏が重くなりすぎるということを防ぐことができます。
また、アスファルトルーフィングと同様に透湿性はなく、水分や湿度を通すことがありません。
耐用年数は15~20年ほどとなっています。

透湿防水ルーフィング

透湿防水ルーフィングは高い防水効果を持っていることに加えて、屋根裏部分の湿気を外部に排出することができる効果が期待できるルーフィングです。
一般的に屋根材や内部の部位が劣化したり、腐食したり、シロアリが発生したりすることのもっとも大きな原因となるのが「湿気」です。
屋根裏部分に湿気が溜まった状態が長く続くとそれだけ木材や他の部材の劣化も早くなっていきます。
そこでこの透湿防水ルーフィングを使用することで屋根裏に溜まった湿気を外部に排出することが可能となります。
湿気を建物の内部に溜めないことによって部材などを劣化させずに維持できます。
また、ルーフィング自体の耐用年数も約50年と長くなっている特徴があります。

使用メリットの多い透湿防水ルーフィングはまだまだ日本の屋根ではあまり普及していません。
全体のシェアとしても約5%にとどまっています。
この理由としては、この透湿防水ルーフィングは一般的なアスファルトルーフィングとは違った施工方法となるために扱う施工業者が限られるということ、併用できる屋根材も限られるということ、施工が高額になりやすいということが理由となっています。

▷参考サイト:より詳しく知る

適したルーフィングを選ぶポイントとは

ポイント

ルーフィングには色々な種類がありますし、数多くの製品が販売されています。
しかし設置されている場所が屋根裏ということもあって頻繁に見る、選ぶ、という機会はありません。
家を建てた時か、大規模な屋根の補修工事を行うときなどに限られてきます。
そのために適切なルーフィングを選ぶということは非常に重要となります。
そこでここでは建物に適したルーフィングを選ぶ際のポイントを紹介していきます。

耐用年数と耐久性が高いものを選ぶ

屋根材もそうですが、その下地となっているルーフィングは頻繁に交換やメンテナンスをすることができない部位になります。
そのため、できるだけ耐用年数が長いもの、耐久性が高いものを選ぶことが重要となります。
特に耐久性については重要であり、ここが低いと防水効果がすぐに低下してしまうという危険性があります。
住んでいる地域が雨の多い地域であればなおさらだと言えます。
耐用年数と耐久性のバランスを考えて劣化しにくいルーフィングを選ぶことがポイントだと言えるでしょう。

ルーフィングと屋根材との相性を考える

ルーフィングを選ぶ際にはルーフィング単体での性能だけで考えるのではなく、「ルーフィングと屋根材との相性」を考える必要があります。
例えば、屋根材よりもルーフィングの方が耐用年数が短ければ屋根材が劣化しておらずにまだ使えたとしても屋根材を一度取り払ってルーフィングを交換する必要が出てきてしまいます。
一度取り払った屋根材を再び設置して使用するのは難しいため、結局屋根材も新しいものに交換して設置する工事をする必要があります。
逆に耐用年数の長いルーフィングを選んだとしても屋根材の耐用年数が短ければ先に屋根材が劣化してダメになっていきます。
屋根材がダメになると防水効果が低下し、多くの雨水が内部に侵入してくるためにルーフィングにかかる負担も大きなものとなり、結局はルーフィングの劣化も早くなります。
屋根材とルーフィングの相性を考えて、うまくバランスを保てるようなものを選ぶことが効率的だと言えるでしょう。

信頼できる施工業者、職人を選ぶ

設置される場所が屋根材の下部分になるため、ルーフィングは一度設置した後に上から屋根材が設置されると外部からは見えなくなってしまう部分でもあります。
外部から見えなくなる部分ということもあって悪質な業者に当たると、勝手に安価なルーフィングが使用されたり、手抜き工事が行われたりすることがある部分でもあります。
せっかく高価なルーフィングを選んでも施工技術が低いと性能を思うように発揮できないということも多くあります。
また、こうした悪質な工事が実際に行われたとしても、それになかなか気づくことができないということがありますので、こうした部分の工事には信頼できる施工業者を選ぶということが何よりも重要となります。
しっかりとした施工業績がある業者を選ぶようにしましょう。

まとめ

「ルーフィング」という部位は屋根材を通過して屋根の内部に侵入した雨水を屋内に入ることを防ぎ、外部に排水するという重要な役割を果たしています。
当然まず雨水を防ぐのは屋根材なのですが、すべてを防ぐことはできませんので、防ぎきれなかった雨水をルーフィングが防いでいるのです。
ただ、普段は屋根材の下に設置されている部分でもあるため、外部からは見えない部分でもあります。
それを踏まえてルーフィングを選び、定期的にメンテナンスをしていく必要があると言えるでしょう。

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