谷板金とは?雨漏りを防ぐために欠かせない部分の役割とメンテナンス方法

Knowledge
屋根の豆知識

谷板金とは?雨漏りを防ぐために欠かせない部分の役割とメンテナンス方法

2025年9月22日

谷板金は、屋根の部位の中で最も雨漏りの原因になりやすい箇所です。
完全な四角形(長方形又は正方形)の建物でない限り、ほとんどの住宅で谷板金の部分があります。
この記事では、谷板金の役割やメンテナンス方法、修理方法について解説します。

屋根の板金とは?

現在の屋根は、スレート屋根か、金属屋根が主流です。
スレート屋根とは、化粧スレートのことで、セメントを固めて成形している建材です。
スレート屋根を使っている場合でも、一部は板金が用いられています。

屋根の板金としては、棟板金、谷板金、水切り板金の3つが代表例です。

棟板金は、屋根の頂点部分のことです。この部分は、三角形の建材を用いる必要がありますが、スレート屋根ではそうした形状を成形することができないため、板金が用いられています。
谷板金は、屋根と屋根がぶつかり合って、谷になる部分です。
建物が四角形(長方形又は正方形)でない限り、屋根には谷になる部分が必ず生じます。この部分も、スレート屋根では成形できないことから、板金が用いられています。
水切り板金は、屋根と外壁の接合部分に用いられています。一階部分の上に二階がない場合は、二階の外壁と一階の屋根部分がぶつかり合う部分が生じます。この部分は、外壁を伝った雨水がその接合部分で内部にしみ込まないように水切り板金と呼ばれる部材が用いられています。

谷板金とは?

建物が完全な四角形(長方形又は正方形)でない限り、屋根には、谷の部分が生じます。具体的な場所は、四角形から出っ張っている部分です。
建物全体としては、四角形でも玄関先が出っ張っている場合は、その部分の屋根に谷が生じます。
谷の部分は屋根と屋根がぶつかり合うことによって、雨水が集まりやすい箇所になっています。
そこで、谷の部分は、屋根の一番高いところから屋根の下まで板金を敷くことによって、雨水を排水できるようにしています。
その役割を果たすのが谷板金です。また、谷樋と呼ばれることもあります。

谷板金の有無を確かめるには?

谷板金があるかどうかは、建物の形状と屋根の形状によって確認します。
まず、建物の形状が、完全な四角形(長方形又は正方形)でない場合は、必ず、谷板金があります。
建物が出っ張っていて、直角になる部分のことを入隅と言いますが、この部分に谷板金が設置されています。

建物が完全な四角形の場合は、屋根の形状を確認します。
一般的な、切妻屋根寄棟屋根片流れ屋根招き屋根であれば、谷板金の部分はありません。
建物が完全な四角形でも、内側に谷ができる様な形状の屋根だと、谷板金が存在します。
例えば、バタフライ屋根、のこぎり屋根、M型屋根などです。

谷板金は見えにくい?

谷板金や谷樋は、屋根材の下に敷かれているため、一般的には見えにくくなっています。
板金が錆びて穴が開いていないかということは地上からの目視での点検だけでは分かりません。
そのため、職人が屋根に上がって直接確かめる必要があります。

谷板金は雨漏りの原因になりやすい?

谷板金は、屋根の部位の中で、最も雨漏りの原因になりやすい箇所です。
谷板金は、雨樋と同じように左右の屋根材からの雨水を集めて、軒樋(横樋)に雨水を流す役割を果たしています。
屋根の中に埋没していますが、実質的には、雨樋と同じ役割を果たしているわけです。
そして、谷板金は、軒樋(横樋)のように深く大きいものを設置することはできません。浅い物しか設置できないので、谷板金にゴミが詰まってしまうと、ダムのように雨水が溜まってしまいます。
そして、たまった雨水は屋根材の下部分に浸入します。もちろん、屋根材の下には防水紙が敷かれていますが、劣化していれば、雨水の浸入を止められず雨漏りの原因になってしまいます。
また、谷板金は屋根材の下に隠れていて見えにくいことから、地上からは、錆びて穴が開いているかどうか確認できないことがあります。
そのため、気づかないうちに錆が進行していて、穴が開いてしまい、雨漏りの原因になっていることもあります。

谷板金のメンテナンス方法

谷板金のメンテナンスは、屋根に上がって行うため、一般の方では難しいです。
そのため、屋根修理業者に依頼しましょう。谷板金のメンテナンス方法を紹介します。

谷板金のごみを取り除く

谷板金は、左右の屋根から雨水が集まるだけでなく、ゴミなども集まりやすいです。
雨樋の軒樋(横樋)と違い、谷板金は底が浅いので、ゴミが詰まって、雨水が流れなくなると、屋根材の内側に雨水が浸透してしまいます。
その結果、雨漏りが生じてしまうことがあります。
これを防ぐには、谷板金にごみが詰まっていたら取り除いてやる必要があります。
周辺に屋根より高い木がある場合は、定期的に点検を行っておきましょう。

谷板金を塗装する

谷板金はガルバリウム鋼板という錆に強い金属で作られています。
ただ、全く錆びないわけではなく、歳月と共に錆が発生することがあります。
谷板金は雨水が集まる場所で、しかも、乾きにくいことから、どうしても他の部位と比べても錆びやすくなります。
特に勾配が緩い場合は、雨水が溜まったままになりやすく、錆の危険が高まります。
そこで、定期的に塗装することによって、錆の進行を抑えることができます。

谷板金の修理が必要な場合とは?

谷板金に不具合がある場合は、上記のメンテナンスだけでなく、谷板金の修理が必要になります。
谷板金の修理では、谷板金を交換するのが一般的です。

谷板金の錆が深刻な場合

谷板金の錆が深刻化していて、穴が開きそうになっている場合は、塗装して穴を塞ぐことはできません。
また、穴が開いている所だけ防水テープなどを貼っても応急措置に過ぎませんから、谷板金を全面的に交換する工事が必要です。

谷板金に歪みがある場合

谷板金が歪んでいる場合は、雨水を集めてうまく下に流すことができないことがあります。
谷板金の歪みだけを直すことは難しいため、交換するのが最も確実な雨漏り対策になります。

谷板金の接合部にズレがある場合

谷板金は一枚の板金でできているとは限らず、谷部分が長い場合は、複数の板金をつなぎ合わせていることがあります。
この場合、つなぎ目部分でずれたり、浮いて隙間ができてしまうことがあります。
このような場合、ずれや浮いた部分から雨水が入りやすくなるため、修理が必要です。

谷板金の修理方法とは?

谷板金の修理が必要な場合は、全交換と部分交換の2つの方法があります。
しかし、谷板金の交換では、屋根材を剥がさないといけないため、交換するなら、全交換がおすすめです。
谷板金の交換の流れを見ていきましょう。

✅屋根材を剥がす

谷板金を交換するには、谷板金のまわりの屋根材を剥がさなければなりません。
瓦屋根の場合は、谷板金の周辺の瓦だけを剥がして修理することができます。剥がした瓦は、谷板金を交換した後で再利用できます。
一方、その他のスレート屋根や金属屋根の場合は、部分的に剥がすことは難しく、全面的に屋根を剥がさなければなりません。
屋根材が劣化している場合は、再利用することは難しいため、新しい屋根材で葺き替えることになります。
つまり、屋根の葺き替え工事が必要になるということです。

✅古い谷板金と防水シートを撤去する

古い谷板金を剥がして撤去します。さらに、その下の防水シートも傷んでいるため、撤去します。
野地板を確認して、腐食などがあれば、野地板も交換します。

✅新しい防水シートと谷板金を敷設する

まず、野地板の上に新しい防水シートを敷き、その上に谷板金を敷設するという流れで施工します。

✅屋根材を葺く

谷板金を敷設したら屋根材を葺きます。
瓦屋根なら、谷板金の周りの瓦だけ敷設しなおします。
その他のスレート屋根や金属屋根の場合は、全面的に新しい屋根材を施工することになります。

谷板金の修理以外の対処方法は?

瓦屋根の場合は、谷板金だけの交換工事も可能です。
その他のスレート屋根や金属屋根の場合は、谷板金の部分だけでなく、屋根全体の工事が必要になります。
そのため、実質的には、屋根の葺き替え工事が必要になります。

屋根の葺き替え工事以外の選択肢としては、屋根カバー工法を選択することも可能です。
屋根カバー工法とは、既存の屋根材の上に防水シートを張り巡らして、その上に新しい屋根材を施工する方法で、屋根の下地がしっかりしている場合に採用できる工法です。
この場合、新しい屋根材としてはガルバリウム鋼板の金属屋根を利用するのが一般的です。
古い屋根材の撤去が必要ないため、屋根の葺き替え工事よりも費用を抑えやすいです。

谷板金のメンテナンスの頻度を減らすには?

谷板金のメンテナンスの頻度を減らすには、耐用年数の長い金属素材を用いるとよいです。
特に、ステンレスの谷板金であれば錆に強いため、メンテナンスの頻度を減らすことができます。

まとめ

谷板金は屋根の中でも最も雨漏りの原因箇所になりやすい部位です。
谷板金に溜まったごみを取り除いたり、塗装して錆の進行を防ぐといったメンテナンスを行うことが大切です。
谷板金の錆が深刻化して穴が開いている場合は、交換工事が必要です。
瓦屋根以外の場合は、屋根の全面的な交換が必要なので、屋根カバー工法も検討してください。

大和瓦工業は、大阪府守口市を中心に、大阪府全域の屋根修理と雨漏り修理を承っています。
谷板金の修理や谷板金からの雨漏り修理にも対応していますので、お気軽にお問い合わせください。

ご相談・現地調査・お見積もりは無料!!

『大和瓦工業』は大阪府守口市を中心に、大阪府全域の屋根修理・雨漏り修理を承っております。
お問い合わせ・現地調査・お見積もりは無料、相見積もりも大歓迎です。
屋根修理・雨漏り修理をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問合せ下さい。

大和瓦工業の屋根工事対応可能エリア

Area
対応可能エリア

守口市を中心に、大阪府内全域対応可能!(大阪市、池田市、泉大津市、泉佐野市、和泉市、茨木市、大阪狭山市、貝塚市、柏原市、交野市、門真市、河南町、河内長野市、岸和田市、熊取町、堺市、四條畷市、島本町、吹田市、摂津市、泉南市、太子町、大東市、高石市、高槻市、田尻町、忠岡町、千早赤阪村、豊中市、豊能町、富田林市、寝屋川市、能勢町、羽曳野市、阪南市、東大阪市、枚方市、藤井寺市、松原市、岬町、箕面市、八尾市)

LINEでの屋根修理・雨漏り修理のお問い合わせはこちらから
PAGE
TOP