2024年1月22日
屋根を構成する様々な部材の中で、最も重要な役割を担うのが「屋根材」となります。
屋根材は複数の種類が存在し、それぞれが独自の長所と短所を持っています。
最適な屋根材の選択は、その土地の気象条件や環境要因、そして建築物の構造によって大きく変わってきます。
このページでは、代表的な瓦屋根、スレート屋根、金属屋根について、それぞれの特性や利点、課題点を詳しく見ていきましょう。
瓦屋根は日本の伝統的な屋根材として知られています。屋根材の中でも特に優れた耐久性を持ち、適切な管理のもとでは50~100年という長期間の使用が可能です。
瓦屋根には主に3つの種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。
最も伝統的な素材である粘土瓦は、粘土を成形して高温で焼成した瓦です。優れた耐久性を持ち、通常の環境下では特別なメンテナンスを必要としません。50年以上の長期使用が可能で、素焼き瓦や釉薬瓦などのバリエーションがあります。ただし、固定に使用する漆喰は15~20年程度で劣化するため、定期的な補修が必要です。問題のない粘土瓦は再利用も可能です。
セメントと砂を配合して製造された瓦で、製造コストと時間の面で効率的な選択肢です。施工の容易さが特徴ですが、素材の性質上、防水処理が不可欠です。表面の防水塗装は約10年で更新が必要で、適切なメンテナンスにより30年以上の寿命を期待できます。
コンクリートと砂を原料とする瓦で、防水性を高めるための表面処理が施されています。セメント瓦と同様の特性を持ち、10年ごとの塗膜メンテナンスが推奨されます。適切な管理で30年程度の耐用年数を実現できます。
長寿命という利点がある一方で、以下の課題があります。
最も顕著な課題は「重い」という点です。スレートや金属屋根と比較して著しく重量があり、特に耐震性の観点から不利です。そのため、リフォーム時に軽量な金属屋根への変更を選択するケースが増加しています。
専門的な技術を要するため、取り扱える業者が限られています。瓦屋根の需要減少に伴い、熟練職人も減少傾向にあります。
機械的な固定方式ではないため、自然災害時に位置がずれる可能性があります。重量があるため、ずれや落下時の危険性が高く、また強い衝撃で破損するリスクもあります。
スレート屋根は現代の日本の住宅で広く採用されている屋根材の一つです。
主に「天然スレート」と「化粧スレート」の2種類に分類されます。
天然石を使用する天然スレートは、コストと施工の複雑さから、一般住宅では採用が限られています。
以下では、一般的な化粧スレートの特徴を解説します。
化粧スレートは、セメントと繊維素材を組み合わせて板状に成形し、表面を塗装加工した建材です。
防水性能は表面の塗装層が担っており、定期的なメンテナンスが不可欠です。
本体は水を吸収しやすい性質があるため、塗装層の保守が重要になります。
塗装の更新は約10年周期で必要となり、適切な管理で20~30年の寿命を確保できます。
化粧スレートが選ばれる理由には、以下のような利点があります。
従来の瓦と比較して大幅に軽量で、板状の形状により取り扱いが容易です。
瓦は材料費と工事費の両面で高額になりがちですが、スレートは比較的手頃な価格で設置できます。
建物の形状に応じた加工が可能で、作業効率が良好です。
優れた特性を持つ一方で、以下の課題にも注意が必要です。
化粧スレートは「割れやすい」という構造的な弱点があります。
外部からの衝撃で損傷しやすく、特に含水による膨張時は亀裂が発生しやすくなります。
塗装の劣化により水分が浸透すると、微生物の繁殖を招きやすくなります。
これにより素材の劣化が加速する可能性があるため、早期対応が重要です。
過去に製造された一部の製品にはアスベストが含まれており、撤去時に特別な対応と費用が必要になります。
金属屋根は現代の住宅建築において採用が増加している屋根材です。従来の屋根材からの改修工事でも選ばれる機会が多く見られます。
戦後の日本における金属屋根は、まずトタン屋根から始まりました。施工の容易さと経済性から普及しましたが、騒音や寿命の課題があり、現在では新しい選択肢に置き換わっています。
現代の主流となっているのがガルバリウム鋼板です。優れた耐久性と施工性を備え、建築資材として幅広い用途で活用されています。
さらに技術革新により、スーパーガルバリウム(SGL鋼板)が開発されました。従来のガルバリウム鋼板の特性を向上させた新世代の屋根材として注目を集めています。
▷詳細情報:ガルバリウム鋼板ってどんな屋根材?特徴やメリット・デメリットを徹底解説
優れた特性を持つ一方で、以下の点に注意が必要です。
金属素材の特性上、強い衝撃を受けた際に変形するリスクがあります。特に台風などによる飛来物への対策が重要となります。
金属特有の熱による伸縮が発生します。この物理的な変化により、固定部分の緩みや、それに伴う雨漏りの可能性があるため、定期的な点検が推奨されます。
屋根材には瓦、スレート、金属など、さまざまな種類があり、それぞれに良い点と気をつけるべき点があります。長持ちするかどうか、値段、取り付けやすさ、お手入れの必要性など、それぞれの特徴が異なります。
屋根材を選ぶときは、建物の形や地域の天候、予算、お手入れの体制などをよく考える必要があります。新しく家を建てるときだけでなく、将来のお手入れや張り替えのことまで考えて選ぶことが大切です。
特に大切なのは、どのくらい長く使えるかということと、建物にかかる重さです。長く使えるかどうかは、お手入れにかかるお金と深く関係があります。また、屋根材の重さは地震に対する建物の強さにも影響するので、この2つについては特によく考えて選びましょう。
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