屋根の「棟板金」とは?役割や雨漏りにつながる原因

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屋根の「棟板金」とは?役割や雨漏りにつながる原因

2023年8月29日

屋根の構造は単に屋根材を貼り付けただけではありません。実は板金や野地板ルーフィングなど、さまざまな部材が組み合わさって作られているのです。

特に重要なのが「棟板金」という部材です。これは屋根の一番高い部分に取り付けられ、接合部をしっかりと守る役目があります。

この記事では、棟板金の大切な働きについて解説します。また、どのような状態になると雨漏りの危険性が出てくるのかも詳しく見ていきましょう。

棟板金の基本知識と機能

屋根の形状はさまざまですが、一般的な三角屋根では最上部で屋根材が接合します。

この最高点を「棟」と呼び、ここに取り付けられる金属製の部材が「棟板金」です。

名前の由来は、主に金属やスレートなどの素材を使用していることに由来します。

設置方法としては、まず屋根材を貫板で固定し、その上から棟板金を被せて保護します。

この構造により、接合部からの雨水の侵入を効果的に防止することができます。

従来は鉄釘での固定が一般的でしたが、錆による劣化の問題があったため、現在は「ステンレス製のビス」の使用が主流となっています。

ただし、古い建物では依然として鉄釘が使用されているケースが多く見られます。

棟板金の劣化について

棟板金は建物の最上部に位置するため、強い日差しや風雨の影響を直接受けやすい箇所です。

そのため、定期的な点検と適切なメンテナンスが必要となります。

以下では、棟板金の主な劣化要因と対策について説明します。

固定部分の緩みと劣化

従来の固定方法では鉄釘を使用していましたが、約10年程度で固定力が低下することが一般的です。

これには主に2つの原因があります。まず、長期間の気象条件により鉄釘に腐食が発生します。

次に、温度変化による金属の伸縮が影響します。日中は太陽熱で棟板金が膨張し、夜間は収縮するという繰り返しにより、固定部分に負荷がかかります。

この膨張と収縮のサイクルにより、徐々に固定部分が緩んでいきます。特に日当たりの良い屋根では、この現象が加速する傾向にあるため、より頻繁な点検が推奨されます。

固定部分の劣化がもたらす影響

固定部分の劣化は、複数の深刻な問題を引き起こす可能性があります。

まず、釘穴からの雨水侵入により、内部構造の劣化が始まります。これは貫板の腐食を引き起こし、新たな固定も困難になります。

さらに深刻な問題として、棟板金の脱落や飛散のリスクが高まります。

棟板金は鋭利な端部を持つ金属部材であり、脱落時の安全性が大きな懸念となります。また、保護機能が失われることで、雨漏りや構造の劣化が急速に進行する可能性があります。

このような状況が確認された場合は、早急な修繕が必要です。

棟板金本体の経年変化

固定部品ほどではありませんが、棟板金本体も環境による劣化を避けることはできません。

錆の発生や物理的な損傷が見られる場合は、表面処理による補修か、完全な交換が必要となります。

棟板金の補修、メンテナンスについて

棟板金のメンテナンスは内部の貫板の状態確認から始まります。貫板は棟板金の下に隠れているため、定期的な点検が欠かせません。目視できない場所にあるため、劣化の進行に気付きにくいという特徴があります。

メンテナンスの主な3つのポイント

①固定部分の点検と補強

固定具の経年劣化は避けられません。一般的な環境で7~10年、厳しい気象条件下では5~7年で緩みが生じることがあります。固定力の低下や腐食の有無を定期的にチェックする必要があります。

高所での作業となるため、点検や補修は必ず専門業者に依頼しましょう。また、固定具を打ち込む際は「脳天打ち」を避け、側面からの施工が推奨されます。最新の工法では、耐久性の高いステンレス製ビスの採用が増えています。

②表面処理による保護

金属製の棟板金も時間とともに劣化します。軽微な劣化であれば塗装による補修が可能です。ただし、効率的な保護のために屋根全体の塗装と同時に行うことをお勧めします。部分的な補修よりも、計画的な全体メンテナンスが効果的です。

③シール材の管理

棟板金周辺のシール材は特に注意が必要です。耐用年数は約5~7年と比較的短く、劣化すると雨水の侵入経路となります。シール材の状態を定期的に確認し、必要に応じて打ち替えることで、建物の長寿命化につながります。

貫板と棟板金の交換時期と費用

屋根の重要な部材である貫板と棟板金は、時間の経過とともに劣化が避けられません。ここでは、これらの部材の交換に関する重要な情報をご説明します。

貫板の交換について

屋根の構造を支える貫板は、経年劣化が見られた時点で交換が推奨されます。近年は従来の木製から、より高い耐久性を持つ樹脂製の製品への移行が進んでいます。

交換工事の費用は1mあたり5000~10000円程度を見込む必要があります。工事では古い貫板の撤去から、新しい部材の設置、そして棟板金の再固定まで、一連の作業が含まれます。

棟板金の交換について

軽度の劣化であれば、固定具の交換や表面処理で対応できることもありますが、破損や著しい腐食が見られる場合は全体の交換が必要です。

棟板金の交換費用は1mあたり7000~12000円ほどです。交換作業中は普段見えない内部構造も点検できる貴重な機会となるため、下地材なども含めた総合的なメンテナンスを行います。

火災保険の活用について

交換工事には本体価格の他、施工費や足場代などの諸経費が発生します。火災保険による補償を受けられる可能性もありますが、適用条件には注意が必要です。

台風や竜巻などの自然災害による損傷の場合は、保険適用の可能性が高くなります。ただし、自然な経年劣化による交換は通常対象外となりますので、事前に保険会社への確認をお勧めします。

まとめ

棟板金は屋根の頂点で接合部を保護する不可欠な部材です。建物の耐久性を維持するため、この重要な構造物の状態を定期的に確認する必要があります。

特に貫板との接合部分は要注意です。適切な点検とメンテナンスを実施し、必要に応じて部材を交換することで、屋根全体の安全性と機能性を長期的に確保できます。

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