瓦屋根の葺き直しとは?葺き替え工事との違いは?メリット・デメリットで比較

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瓦屋根の葺き直しとは?葺き替え工事との違いは?メリット・デメリットで比較

2024年10月17日

屋根材が破損したり劣化したりしてくると補修する必要があります。
ただ、それらの方法にも色々な方法があり、有名なところでは「葺き替え」「カバー工法」「塗装メンテナンス」などがあります。
それらの中に「葺き直し」という工事があるのですが、こちらはそれほど知られていません。
そこでここでは瓦屋根の葺き直しと葺き替えの違い、葺き直しのメリットやデメリットなどについて紹介していきたいと思います。

葺き直し工事とはどういったものか

補修工事やリフォームの中でも「葺き直し」と呼ばれる工事について紹介します。
葺き直しとは、設置されている屋根材を一度すべて取り外した上で、ルーフィングや野地板などの下地の補修を行い、下地の調整が終わったら、取り外した元の屋根材を設置していくという工事となります。
この方法が利用されるのは屋根材の耐用年数が長い瓦屋根のことが多くなっています。
瓦屋根は長いものだと50年以上の耐用年数がありますが、下地は15年ほどで劣化することがほとんどです。
そのため、一度瓦屋根を取り外して下地を新しいものに交換したのちに、まだ耐用年数が残っている瓦屋根を設置するのです。

葺き直し以外の補修方法について

葺き直しよりも有名な補修方法、リフォーム方法は色々とあります。
ここではそれらの方法について簡単に紹介していきます。

葺き替え工事

葺き直しに似た工事として葺き替え工事があります。
こちらの葺き替え工事は既存の屋根材をすべて撤去してルーフィングや野地板などの下地もすべて新しいものに取り替えた上で、新しい屋根材を設置していくという方法です。
葺き直しと違って屋根材も新しいものを設置するために完全に新しい屋根になることとなります。
そのため、補修効果は高いものとなりますが、既存の屋根材を撤去する費用や手間、下地をすべて撤去する手間、新しい下地を設置する作業、新しい屋根材の費用、屋根材を設置する作業、撤去した屋根材を廃棄する手間と費用がかかるというデメリットがあります。
それらがまとめてかかるために費用も高額になりますし、工期も長くかかることとなります。

ちなみに既存の屋根材が瓦屋根だった場合は、他のスレート屋根や金属屋根などの屋根材と比べて「重い」「設置するには職人の技量が求められる」ということがあるため、葺き替え工事を行う際には他の屋根材に葺き替えるということが増えています。
瓦屋根をすべて撤去して金属屋根にすることで屋根を軽量化するといった工事が耐震工事をするのが一般的となってきています。

カバー工法

ルーフィングの写真

カバー工法とは既存の屋根材を撤去することなく、その既存の屋根の上から新しい屋根を設置するという方法です。
既存の屋根材を撤去しないために撤去費用や処分費用がかからないことで葺き替えよりは安く、工期も短く工事ができます。
ただ、既存の屋根の劣化具合があまりにもひどい場合にはカバー工法は利用できません。
これは既存の屋根の上に新しい屋根を作ってしまうと、既存の屋根の補修ができなくなるためです。
既存の屋根の劣化が激しい場合は葺き替え工事をすることとなります。
また、カバー工法を行うと屋根が二重になるため屋根の重さも2つ分ということになります。
そもそも重さがある瓦屋根の場合には屋根がかなり重くなってしまうため、カバー工法は不向きであると言えます。

漆喰の詰め直し工事

瓦屋根は耐用年数が長く、劣化しにくい屋根材ですがその瓦屋根を固定している漆喰は10~15年ほどで劣化していくこととなります。
漆喰が劣化してしまうと瓦の固定力が弱くなってしまい、瓦がズレてしまったり落下してしまう原因となります。
そこで既存の瓦屋根を撤去することなく、漆喰の劣化だけが気になる場合は漆喰を新しいものに交換するという「漆喰の詰め直し」がおすすめです。
古くなった漆喰、劣化した漆喰を撤去して新しい漆喰を詰めていく工事となります。
漆喰の詰め直し工事を行う際には屋根の頂上にある棟瓦を外す必要はないため、費用や工期を抑えることができます。
漆喰を新しいものに交換していくことで機能が回復できるのであればこの詰め直し工事がおすすめです。

棟瓦の積み直し、積み替え及び漆喰の詰め直し工事

こちらは漆喰の劣化が特にひどい場合に行う工事です。
すでに漆喰が劣化しすぎて瓦が大きくズレてしまっている、室内に雨漏りが発生しているという状態にまでなると漆喰を詰め直すだけではなく、古い漆喰や土葺きの土をすべて撤去して土台から新しく作っていくこととなります。
土を葺いて、漆喰の詰め直しを行って瓦を元の位置に設置していくという大規模な工事となります。
このように漆喰の劣化があまりにもひどい場合には全面的な工事を行うこととなるため、費用も高額になりますし工期も長くなります。

葺き直し工事のメリットとは

葺き直し工事には葺き替え工事とは違ったメリットがあります。
ここではそれらのメリットを順に紹介していきます。

屋根材の撤去費用、処分費用と手間がかからない

葺き直しと葺き替え工事の大きな違いが屋根材を撤去するかどうかです。
屋根材を撤去する際には手間がかかる、騒音問題がある、撤去費用がかかる、撤去した廃材の処分費用がかかるといったデメリットがあります。
葺き直しではそうしたデメリットがない上に、撤去がないために環境への配慮もできるというメリットがあります。
撤去しないことで費用の削減、工期の短縮が可能となるのは大きなメリットだと言えるでしょう。

家のイメージを大きく変えることがない

屋根材を変える際には補修するためといった理由の他にも「建物のイメージを変える」という効果があります。
瓦屋根からスレート屋根や金属屋根に変更すると性能も見た目もまったく違ったものとなるため、イメージチェンジをすることができるというメリットもあります。
ただ、中にはもともとの建物のイメージが気に入っている人もいます。
そうした際に屋根材を新しいものに変えてしまうと大幅にイメージが変わってしまうという可能性があります。
家のイメージを変えたくない場合は葺き直しがおすすめです。

葺き直し工事のデメリットとは

費用や工期を抑えることができるというメリットがある葺き直しですが、デメリットもあります。
それは古くから使用している屋根材などの場合は同じものが手に入らない可能性があるということです。
葺き直しの際に一部分破損している瓦だけを交換しようとしたりする場合でも、まったく同じ瓦が手に入らないことがあるのです。
その場合は比較的似ている屋根材を使用するか、諦めて葺き替え工事にしてしまうかになります。

瓦にも色々な種類があるのですが、その中でも「モニエル瓦」を使用している場合には製造会社がすでに解散してしまっているためにまったく同じ瓦が手に入らない可能性が高いと言えます。
ここでいう「モニエル瓦」とはセメント瓦の表面に「着色スラリー」という塗料を塗った瓦です。
「モニエル」という名前については、この塗料を「日本モニエル株式会社」が製造していたことが関係しています。
この着色スラリーは防水性に優れているために雨風にも強く、モニエル瓦はセメント瓦よりも防水性の面で優秀だとされています。
どうしても瓦屋根にこだわりたい場合には他の種類の瓦を使用することとなるでしょう。

葺き直しと葺き替えの比較

葺き直しと葺き替えのどちらを選べば良いのかわからないことがあるかもしれません。
そこでここでは葺き直しと葺き替えの比較をしていきたいと思います。

費用について

費用面で大きく違ってくるのは「既存の屋根材の処分費用」「新しい屋根材の材料費」です。
葺き直しの場合は一度外した屋根材を再び使うために新しく屋根材を購入する必要がありません。
しかし葺き替えの場合は撤去した屋根材の処分費用と新しい屋根材を購入する費用が必要となってくるのです。
他の「屋根材の設置費用」「下地の補修費用」などについてはどちらの場合にもかかってくる費用となりますので、差はでません。
一般的な戸建て住宅の屋根の面積は100㎡前後とされています。
これを基準の費用を出してみると
葺き替えの場合は「160~200万円」、葺き直しの場合は「120~180万円」ほどとなってきます。

工期について

どちらの工事の場合も一度屋根材を撤去して下地を補修し、屋根材を設置していくという工程についてはかかってきます。
そのため、工期については大きな差は出てこないのですが、外した屋根材を外部まで撤去して処分しなければならいという分だけ葺き替えの方が少し長くなる傾向があります。
ただ、どちらの工事の場合も一般的には10日前後の工期となっています。

耐用年数、次回のメンテナンスまでの期間について

耐用年数についてはどちらの工事の場合も下地の補修を行いますので、そこでは差がでません。
また、瓦屋根を設置した際に漆喰やコーキングについては新しく設置していきますので、ここでも差はでないこととなります。
差が出るとしたら瓦屋根が再利用か新しいものかということになるのですが、葺き直しで使用する瓦屋根はまだ耐用年数が残っていて再利用できると判断された瓦屋根ですので、ある程度は持つということになります。
残りの耐用年数がそれほど残っていないという場合にはメンテナンス期間が短くなってしまいますので、葺き替え工事を行った方が良いでしょう。

まとめ

屋根の補修を行う方法にもいろいろとありますが、その中でも「葺き直し」と「葺き替え」はどちらの方法を選ぶか悩んでしまう人が多い部分でもあります。
それぞれに特徴があり、メリットとデメリットがあるためにそれらを比較して建物に適した方法、劣化具合などに応じた方法を選んでいくと良いでしょう。

▷瓦屋根の補修には「漆喰工事」「棟の積み直し」「ラバーロック工法」何が必要?

▷瓦屋根の主な劣化症状とメンテナンス方法について解説

▷屋根の瓦がズレる原因とは

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