瓦屋根の補修には「漆喰工事」「棟の積み直し」「ラバーロック工法」何が必要?

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瓦屋根の補修には「漆喰工事」「棟の積み直し」「ラバーロック工法」何が必要?

2024年8月27日

瓦屋根は日本で古くから使われている屋根材です。
耐久性が高く、耐用年数も長い屋根材ですが、まったく補修メンテナンスが必要ないということはありません。
瓦屋根を補修する際には「漆喰工事」「棟の積み直し」「ラバーロック工法」といった補修方法があります。
そこでここでは瓦屋根のさまざまな補修方法について紹介していきたいと思います。

漆喰工事について

瓦屋根を固定するのには「漆喰」が使われています。
ただ、漆喰は瓦屋根よりも早く劣化していくため、そのメンテナンスをする必要があります。
そこでここでは漆喰の劣化について紹介していきます。

漆喰の劣化する理由について

漆喰が何もなくても経年劣化していきますが、その理由にもさまざまなものが原因となっています。
・屋根の上で常に雨風にさらされることで劣化する
・夏に強い日差しによって太陽光、紫外線を受け続けることで劣化する
・昼と夜、夏と冬などの季節や時間帯の気温差の膨張と収縮によって劣化する
・時間が経つことによって単純に経年劣化する
といった理由が考えられます。

瓦屋根を支える漆喰は設置される位置が屋根の上ですので雨風や太陽による紫外線によるダメージを常に強く受け続けることとなります。
こうした強いダメージを長期間にわたって受け続けることによって劣化していくのです。
さらに漆喰は長く使用することよって乾燥して硬くなり、柔軟性がなくなっていくという特徴があります。
こうして漆喰が乾燥してくると雨風や紫外線のダメージをさらに受けてボロボロと崩れていきやすいために劣化が早くなることとなります。
これらのダメージ以外にも長い時間が経つということによって経年劣化するという原因もあります。

漆喰が劣化することで起きる問題とは

屋根上で瓦屋根を固定している漆喰が劣化していくことによって、瓦を固定している力、つまり固定力が弱くなります。
固定力が弱まると瓦が移動する、ズレる、落下する、他の瓦にぶつかって破損するといったトラブルが発生してくるのです。
瓦がズレることで隙間ができてしまうとその隙間から内部に雨水が浸入してしまうこととなり、雨漏りの原因となります。
また、瓦が落下することがあると瓦が重いということもあって非常に危険です。
漆喰が劣化して固定力が弱まることでこれらの問題が発生してくるのです。

漆喰の詰め直し工事について

漆喰が劣化している場合は漆喰の詰め直し工事を行うこととなります。
劣化している漆喰が残っていると固定力が弱まることにつながりますので、劣化している漆喰をすべて取り除いた上で新しい漆喰を埋め直していく工事となります。
漆喰の詰め直しを行う範囲にもよりますが、範囲が広くなると数十万円~100万円程度の費用がかかる場合があります。
ただ、全面的に漆喰の劣化が激しく、棟瓦などの積み直しも含めて工事を行う際には大規模な工事となることが多く、ある程度の期間と100~300万円程度の費用がかかることとなります。

▷東大阪市荒川にて瓦屋根漆喰補修工事

棟瓦の積み直し工事について

棟瓦にトラブルが起きている場合、棟全体を正常な状態に戻すために行われるのが棟瓦の積み直しです。
そこでここではまず棟瓦とはどういったものなのか、積み直しとはどういった工事を行うものなのかということについて紹介していきます。

棟瓦とは

屋根は屋根の頂点部分に向かって屋根材が並べられていることが多く、その屋根の頂点の部分が「棟」と呼ばれています。
その棟の部分に水平に設置されていく瓦が棟瓦です。
屋根材を並べて合わせていくとどうしても棟部分に隙間ができてしまうため、その隙間を防ぐように設置するのが棟瓦ということになります。
棟瓦はこの棟の隙間部分から雨水が浸入していくのを防ぐという役割があり、雨漏りが起きるのを防ぐのに役立っています。
また、棟部分に瓦屋根をまっすぐ綺麗に並べていくことで建物の美観を整えるという役割も期待できます。
雨漏りを防ぐという現実的な役割と美観を整えるという建物の外観の向上という役割を果たしているのが棟瓦なのです。

棟瓦の積み直しが必要となるのはどういった場合か

棟瓦は屋根の棟部分で固定されて設置されているのですが、さまざまな原因でその固定力が低下してしまうということがあります。
例えば地震や台風などで瓦がズレてしまうという、破損してしまうということがあるためです。
このように瓦がズレてしまっている際にさらに強風や大雨、地震などのダメージを受けると瓦が落下してしまう、棟部分が大きく崩れてしまうという危険性があります。

棟瓦が屋根から落下してしまうと、瓦自体に重量がかなりあるために下に人が居た場合は大事故になりますし、下に置かれている自動車や自転車などに落ちれば破損してしまうということもあります。
また、棟瓦がズレる、崩れているという状態だと隙間ができるために雨水が侵入していくことで雨漏りの可能性も高くなります。
屋根の瓦屋根の下部分にはルーフィングと呼ばれる防水シートが下地として設置されてあるため、本来はそこで雨漏りを防いでくれるのですが、侵入してきた雨水が多すぎるとルーフィングでは防ぎきれませんし、ルーフィングにかかる負担も大きくなります。
ルーフィングに雨水が大量に当たり続けることでルーフィングの劣化も早くなりますし、破損してしまう場合もあります。
ルーフィングまで破損してしまうとそれを補修するためには下地からすべて交換しなければならないような大規模な補修工事が必要となってきますので注意が必要です。

▷屋根のルーフィング(防水シート)とは?ルーフィングの役割と種類について解説

棟瓦の積み直しを行うことによって機能を復帰させる

棟瓦がズレている、劣化している、破損しているという場合には瓦が落下してしまう、屋根部分の崩落や雨漏りが発生する可能性も高くなりますし、建物の美観も大きく低下することとなります。
こうした状態になってしまっている場合には棟部分を一度解体して整理し、そこにまた新しく瓦を積み直していくことで機能を復帰させるという方法があります。
そうした作業を「棟瓦の積み直し」と言い、棟瓦部分の固定力や耐久性の復帰、美観の向上などを行うことができます。
棟瓦に大きなトラブルが起きている際には積み直しを行うのが一般的な補修方法となっています。

ラバーロック工法について

「ラバーロック工法」は瓦屋根の補修工事を行う際に行われる工法です。
屋根の上にある瓦同士をコーキング材を利用することで固めて固定してしまうという方法をとっています。
ただ、この工法はメリットとデメリットがかなりはっきりしている工法ですので、行う際には注意が必要です。

ラバーロック工法とは

瓦同士をコーキング材によって接着されることによって、台風、強風、地震などがあった場合にも瓦がズレてしまう、外れてしまうということを防ぎ、外れた瓦が落下してしまうということも防止することが可能となる工法です。
こういった点がメリットと言われるのですが、施工業者によっては「大きな効果がない」「雨漏りがむしろ増えてしまう」と言われることがある工法でもあります。
また、このラバーロック工法は訪問販売業者、悪徳業者などが手抜き工事をしたり、法外な費用を請求するのに使われることも多い工法であることから一般的にイメージが良くない工法として考えられることもあります。
施工業者によっては「ラバーロック工法は取り扱っていない」ということもあります。

ラバーロック工法のメリットとは

まず瓦と瓦にある隙間をコーキング材で埋めてしまうことによって隙間から水が侵入していくことを防ぎ、防水効果を向上させるということがあります。
また、瓦をズレないようにする、外れないようにしてしまうということによって瓦が強く固定されることもメリットとなります。
ただ、施工方法を間違えると固定された大量の瓦がまとめて落下してしまうということがあります。
大量の瓦の塊が屋根から落下することとなるため、非常に危険ですので施工方法には注意が必要です。

ラバーロック工法のデメリットとは

正しく施工すればメリットがあるラバーロック工法ですが、デメリットや注意点も多い工法でもあります。
まずラバーロック工法では隙間をコーキング材で埋めてしまうために内部の水分や湿気が排出されにくくなって内部に溜まってしまうということがあります。
内部に湿気が溜まると木材が腐食する、カビが発生する、シロアリが発生するということにつながります。
内部に湿気が多く溜まることは雨漏りの発生にもつながることが多いので、通気性が悪くなるというのはラバーロック工法の最大のデメリットと言えるかもしれません。

また、補修メンテナンスを行う際に瓦を再利用できなくなるということもあります。
瓦屋根は基本的に耐用年数が長く、大きなトラブルがなければ50~100年ほどにわたって利用することができるものも多くあります。
しかし、瓦を支える漆喰などの他の部分については耐用年数が15~20年程度のものが多く、一定期間でメンテナンスをする必要が出てきます。
この際、漆喰などを補修工事しても瓦屋根に問題がなければ、瓦は再利用することが多いのですが、ラバーロック工法を行った瓦は再利用することができません。これも大きなデメリットと言えます。

まとめ

瓦屋根は屋根材としては耐用年数も長く、補修メンテナンスもそれほど必要ないものですが、その周囲の漆喰やコーキングは劣化していきますので定期的なメンテナンスが必要となります。
その際には漆喰の詰め直し、棟瓦の積み直し、ラバーロック工法などさまざまな補修方法があるので、必要に応じて適した方法で補修を行うようにしましょう。
あまりに劣化や破損がひどくなってからの補修の場合は補修工事が大規模になってしまうことが多く、その場合は工期も長くなりますし、費用も多くかかることとなってしまいます。

▷瓦屋根の主な劣化症状とメンテナンス方法について解説

▷屋根の瓦がズレる原因とは

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