雨漏りに強いといわれている立平葺きとは?メリットデメリットについて解説

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雨漏りに強いといわれている立平葺きとは?メリットデメリットについて解説

2023年11月21日

近年屋根材にも色々な種類のものが増えてきています。
その中でも「軽量」「頑丈」といった特徴で金属屋根が人気となってきているのですが、それらをどのように設置していくのかによって耐久性なども変わってきます。
そこでここでは雨漏りに強いと言われる「立平葺き」について紹介していきたいと思います。

立平葺きとはどういったものなのか

 

 

近年普及している金属屋根と言えば「ガルバリウム鋼板」です。
最近になって少しずつより高性能な「エスジーエル鋼板」が増えてきていますが、まだまだそこまで普及はしていません。
ここではその金属屋根の葺き方、さらに立平葺きとはどういったものなのかということを紹介していきます。

金属屋根の葺き方とは

こういった金属屋根は大きく二つの葺き方があります。
一つは、軒に対して水平方向に横向きに葺いていく「横葺き」と呼ばれる葺き方と、もう一つは軒に対して垂直方向に縦向きに葺いていく「縦葺き」と呼ばれる葺き方です。
「立平葺き」とはこのうち「縦葺き」に属している葺き方です。
金属屋根は縦長の屋根材となっているのですが、この縦長の金属板を縦方向に葺いていきます。

瓦屋根やスレート屋根といった屋根材は一つ一つを屋根に張り付けていく方法を取りますが、金属屋根は1枚が長尺のため、棟部分から軒までが少ない屋根材で設置されるため排水性は高くなっています。

使用される金属屋根について

昔は金属屋根と言えばトタン屋根でした。
軽量で安価、使いやすいということもあって幅広く使用されたのですが、トタン屋根は耐久性が低く、雨が降ると音もうるさい、錆びやすい、耐用年数が短いといったデメリットがあるため近年はほとんど使われていません。
トタン屋根の代わりに使用されてきたのが「ガルバリウム鋼板」です。
ガルバリウム鋼板はアルミニウムが55%、亜鉛が43.4%、シリコン1.6%という割合でメッキ塗装がなされた合金となっています。
トタン屋根よりもはるかに錆びにくく、耐用年数も約20年というほど延びています。
こうした特徴によって屋根材としてだけでなく、板金などにも多く使われています。
また、とにかく軽量ということもあって耐震性を高めるリフォーム時などには瓦屋根やスレート屋根からガルバリウム鋼板やエスジーエル鋼板に交換するということも多くなっています。

▷参考サイト:ガルバリウム鋼板ってどんな屋根材?特徴やメリット・デメリットを徹底解説

瓦棒葺きとどういった違いがあるのか

「立平葺き」と似たものに「瓦棒葺き」と呼ばれるものがあります。
こちらには名前に「瓦」がついていますが、実際に瓦が使われるわけではなく金属屋根の葺き方となっています。
見た感じは立平葺きに似ているのですが、こちらは昔のトタン屋根で多く使われた方法です。
瓦縦葺きでは木材の芯木となっている瓦棒を垂木に釘を打って固定して、折り曲げた金属板の溝板をこの瓦棒にはめて、上から抑えを被せて釘で固定をする方法です。
この瓦棒とは金属屋根同士を合わせて固定するために一定間隔で設置された木材のことを指しています。
瓦棒葺きという方法では狭い場所でも施工することができるのですが、この瓦棒が木材でできているために固定している釘が劣化する、入り込んだ水分によって腐食するということがありました。
その後、瓦棒を使わない「芯木無し瓦棒葺き」という方法ができたこともありました。
この方法では芯木を使わずに通し吊子を使って、溝板と通し吊子をネジで固定して金属同士を組み合わせた上で折り曲げる「ハゼ締め」で固定します。
ただ、最近ではこの方法もあまり使われることがなくなり、「立平葺き」が一般的になってきています。

▷参考サイト:瓦棒葺きとは?メリットやデメリット、メンテナンス費用などを解説

立平葺きの金属板の固定の仕方について

 

 

立平葺きで金属板を固定する方法には大きく「ハゼ式」と「嵌合式」という2つの方法があります。

ハゼ式とは

ハゼ式は古くからある葺き方であり、立平葺きは縦ハゼ葺きと呼ばれることもあります。
ハゼ式とはつなぎ合わせようという金属同士を折り曲げて結合させます。
立平葺きの場合は縦向きに巻き込んで仕上げていきます。
巻き込んでいく際には工具を使って手で行うために職人の技量が問われる作業となります。
また、工事の時間もかかることとなります。

嵌合式とは

嵌合式とは屋根材に凸部分と凹部分を事前に作っておき、上から出っ張った部分を嵌め込んで完成させる形式となっています。
手動で金属を巻き込んで折り込んでいくハゼ式ほど技量が求められるわけでもなく、工事も早く終えることができるためにこちらの使用が増加してきています。
この嵌合式は嵌合式立平と呼ばれることもあります。
人気の立平葺きの屋根材にも嵌合式のものが多くなってきています。

立平葺きのメリットとは

立平葺きにはどういったメリットがあるでしょうか。
ここではそういったメリットを順に紹介していきます。

メンテナンスが効率的にできる

立平葺きは木材の芯木を使わないために水分で腐食していくということがありません。
また、ガルバリウム鋼板だけでできているために耐久性も高く、長期間メンテナンスをしなくても大丈夫というメリットがあります。

防水性、排水性に優れている

立平葺きは水平方向につなぎ目がないために内部に雨水が侵入することが少なく防水性に優れています。
また、縦長の金属板が縦向きに葺かれているため、外部に雨水が流れていきやすく、排水性にも優れています
そのため、雨漏りが発生する率も低くなっています。

傾斜があまりない屋根にも使える

屋根の傾斜は建物によって角度が違っています。
特に建物の屋根の傾斜は勾配と呼ばれるのですが、この勾配が急なほど水は流れやすく排水性は高くなります。
勾配が緩やかになるとそれだけ水の流れが悪くなり、排水性が悪くなります。
屋根材によって施工することができる勾配が決まっているのですが、立平葺きは勾配が緩い屋根でも施工することができるため、使い勝手の良い葺き方となっています。

工期が短く、費用も安い

立平葺きで使用されるガルバリウム鋼板は耐用年数が長く、錆びにくいというメリットがあります。
そのためコストパフォーマンスの良いものとなっています。
また、屋根材は長尺の屋根材を縦葺きにどんどん並べて施工していくために短い工期で施工をすることができます。
特に嵌合式の場合は複雑な作業が少ないため、職人の数も少なくて済みます。
工期が短くなって職人の数も少なくなればそれだけ費用が安くなるということになります。

屋根材として軽量なため耐震性が高い

立平葺きで使用されるガルバリウム鋼板は瓦屋根やスレート屋根と比べるとはるかに軽量であるため、屋根を軽量化することができます。
近年、耐震リフォームがされることが増えてきていますが、そのほとんどは屋根を軽くして耐震性を高めるというものです。
その意味でも屋根を軽量化することができる立平葺きはメリットが大きいと言えます。

立平葺きのデメリットとは

立平葺きはメリットが多いのですが、いくつかデメリットもあります。
ここではそれらのデメリットを順に紹介していきます。

複雑な形状をしている屋根には使用できない

立平葺きは長尺の金属屋根を縦葺きで使用する葺き方のため、複雑な形状をしている屋根をしている建物には使用できません
基本的にはシンプルな形状の切妻屋根、かまぼこ屋根、下屋などに向いている葺き方だと言えるでしょう。

断熱性はあまり高くない

金属屋根には軽量である、耐久性が高いなどのメリットが多いのですが、いくつかデメリットもあります。
その一つが熱伝導率が高いために夏は暑く、冬は寒いという特徴があります。
強い日差しを受けると金属屋根は熱くなり、その温度が部屋の中に移って気温が高くなるのです。
そのまま使用するのではなく、金属屋根の裏側に断熱材を裏打ちしたり、表面に遮熱塗料や断熱塗料を塗装するといった方法である程度対応できます。

遮音性が低く、雨音がうるさくなる

こちらも金属屋根のデメリットです。
金属ということで雨が降ると雨音が響きやすくなります。
断熱材、遮音シートなどを併せて使用することで少し音を抑えることができます。

立平葺きのメンテナンスとは

立平葺きは金属屋根であるガルバリウム鋼板を使用して施工される葺き方ですので、耐用年数が長く、メンテナンス回数を減らすことができる工法です。
たいていは15~20年ほどは持つのですが、まったくメンテナンスをしなくても良いというわけではありません。
定期的にメンテナンスを行うことで部材の劣化を抑えることができ、結果的により耐用年数を長くすることにつながります。

特に金属屋根ということがあるため「錆び」に注意しなければいけません。
ガルバリウム鋼板は錆びに強い金属屋根ではあるのですが、他の部材が破損した際や飛来物があった際などに屋根材に傷がつくと表面のめっきが剥がれてしまうことがあります。
表面のめっきが剥がれるとそこから雨水が侵入し、錆びが進むこととなります。
そのため表面に傷がないかどうか、錆びがないかどうかをメンテナンス時に確認する必要があります。

部分的に屋根材が劣化している、破損しているという場合にはその一枚を交換することで補修できる場合があるのですが、劣化している部分が多い、破損している屋根材が多いということになってくると部分補修では補修しきれないため、カバー工法を行うか全面的に葺き替え工事を行うかということになります。
メンテナンス時にどの程度劣化しているのかを確認して判断していきましょう。

まとめ

立平葺きはガルバリウム鋼板の長尺板を使って縦葺きにする葺き方です。
つなぎ目が少ない、雨水が流れていきやすいという葺き方のため、雨漏りが起きる可能性を減らすことができるというメリットがあります。
また、金属屋根を使っていることで屋根が軽量になり、耐久性も高いため長く使えるという特徴もあります。

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